第38章 抵抗する

翔太はしばらくその場に立ち尽くし、先ほどの鈴木美咲の様子を思い返していた。

なんだかママは少し悲しそうだったような気がする?

そのとき、聞き慣れた声が聞こえてきた。

「翔太!」

自分の名前を聞いて振り向くと、そこにはパパの姿があった。翔太の顔には瞬く間に笑顔が浮かんだ。

だが、彼が駆け寄る前に、藤原隆の隣に見知らぬ女性がいることに気がついた。

誰だろう?

翔太は笑顔を引き締め、黙って藤原隆の横に歩み寄った。

佐藤澪は翔太を見るなり、積極的に近づいてきた。

彼女が手を伸ばして翔太の頭を撫でようとしたが、翔太はそれを避けた。

藤原隆の後ろに隠れた翔太は、無邪気に顔を上げて尋ね...

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