第46章 林田グループとの協力

鈴木美咲は目の前の人物をじっと見つめていた。見覚えのある顔だが、すぐには思い出せない。

「鈴木さんは僕のことを忘れてしまったようですね」

彼は小さく笑いながら、スーツの内ポケットから名刺を取り出し、鈴木美咲に差し出した。

「改めて自己紹介させてください。林田羽と申します。林田グループのプロジェクト責任者兼専務です。今回鈴木さんをお訪ねしたのは、ある案件で鈴木さんとご協力させていただきたいと思いまして」

彼は話しながら、わざと自分の額の端を指差した。そこには既に癒えた傷跡があった。

鈴木美咲の記憶の中で何かが目の前の光景と重なり始めた。

もう一度その傷跡を見た瞬間、林田羽のことを思...

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