第58章 2億の売上高

ホテルを出た後、藤原隆は車に乗り込み、すぐに田中秘書に電話をかけた。

「私のオフィスに誰が入ったか調べてくれ」

「かしこまりました、藤原社長」

藤原隆は目を伏せ、車を発進させようとしたところで、携帯電話に新しいメッセージが届いた。

昨日、秘書に調査を依頼していた土地の件について、ちょうど結果が出たところだった。

【藤原社長、この土地はもうすぐ価値が下がります。】

藤原隆はメッセージを見て、口元に薄い笑みを浮かべた。

一週間前から、プロジェクト側が売りに出したその土地に疑問を抱いていた。

あの場所は繁華街に位置しているのだから、本来なら急いで値下げして売り払うようなことはないは...

ログインして続きを読む