第20章

江口慎吾はレストランで宮下遥とキャンドルライトディナーを楽しんでいたが、メッセージを見た瞬間、顔が一気に曇った。

宮下遥は急に暗くなった彼の表情を見て、おずおずと尋ねた。

「どうしたの?」

江口慎吾は息を詰まらせたまま、何も言わなかった。

スマホを開き、彼はメッセージを返した。

「俺に関係ないだろ」

宮下雅文は画面を見ながら、口元に意味深な笑みを浮かべた。

「今回は、本当に鈴木千穂と別れたんだね?」

江口慎吾はちらりと見て、内心で歯ぎしりしながらも、送った文字は涼しげだった。

「ああ、何か問題でも?」

「いや、俺が意見なんて言えるわけないじゃん」

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