第21章

復習の日々は単調で退屈なものだが、鈴木千穗は意外にもすっかり慣れていた。

また一日の勉強を終え、家に帰った彼女は肩をさすりながら早めに休もうと思っていたところ、思いがけず大野教授から電話がかかってきた。

教授はまず彼女の復習状況について尋ねた。

鈴木千穗は簡単に進捗状況を報告した。

大野正人はそれ以上詳しく聞くことはなく、彼女を信頼しているようだった。

鈴木千穗は思わず微笑んだ。そして電話の向こうから「明日の朝、家に来てくれないか」という声が聞こえた。

言い終わるとすぐに電話を切った。まるで一秒でも遅れれば鈴木千穗に断られると恐れているかのように。

翌日、鈴木千...

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