第41章

渡辺雄二はすぐにスマホを取り出し、鈴木千穂に電話をかけた。

「千穂さん、最近どう?ちょっと話があってさ…」

用件を伝えると、電話の向こうは沈黙に包まれた。

鈴木千穂が何を躊躇っているか察した渡辺雄二は、すぐに胸を叩いて保証した。

「千穂さん、安心して。今回は俺からの誘いだから。純粋に友達として飯を食うだけで、絶対に兄貴は呼ばないから」

「…わかった」ようやく鈴木千穂は同意した。

電話を切ると、渡辺雄二は肩をすくめた。

そう言っておいたけど、もし「偶然の出会い」があったとしても、それはもう彼の知ったことではない。

宮下雅文が自ら申し出た。

「じゃあ、俺が慎...

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