第42章

外港路を通りかかると、数千台のドローンが空中に浮かび、整然と様々な形に変化していた。

これはドローンショーで、わずか十数分の演出だが、料金は数百万円からスタートする。

会場に観に来ている人も多く、宮下雅文たちが通りかかった場所はちょうど絶好の観覧スポットだった。彼は車を路肩に停め、フロントガラス越しに、様々な形に変化する様子を興味深げに眺めていた。

鈴木千穂も彼の視線に従って見上げると、瞬時に華麗なドローンの光景に魅了された。

「これ、全部で何機あると思う?」宮下雅文が尋ねた。

「そんなの分かるわけない」

「いや、分かるさ」

「分からないわ」

「俺の予想は…...

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