第47章

「本当ですか?」

宮下大介は頷いた。

「うん」

鈴木千穂は深く息を吸い込んだ。

「ありがとう、少し心が軽くなったわ」

宮下大介は彼女が素早く感情を立て直したのを見て、自分の心も少し緩んだ。

「お腹空いてる?この近くに美味しい中華料理の店があるんだけど」

鈴木千穂はちょっと考えてから、断らなかった。

中華料理と言えば、一番特徴的なのは火鍋だ。

宮下大介は辛いものがあまり得意ではないので、二色鍋を注文した。

真っ赤なスープがぐつぐつと煮立ち、湯気が立ち上り、見ているだけで食欲をそそられる。

鈴木千穂の気分はまだ晴れないようだったが、周りの賑やかな雰囲...

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