第12章

佐藤悟は車内で散々好き勝手にしたせいで、

寝室に戻ってからは、

松本絵里が彼から遠く離れ、触れさせようともしなかった。

松本絵里がもともと遅くまで残業していたことを考慮し、

さらに車内で自分の思いのままに付き合ってくれたことから、

佐藤悟は彼女を許し、ぐっすりと眠らせてあげた。

翌日目を覚ました時には、陽光がすでにカーテンの隙間から差し込み、バルコニーに降り注いでいた。

松本絵里は携帯を手に取って見た。ええ、もう八時半じゃない!

彼女はまるで倍速ボタンを押されたかのように、普段の三倍の速さで服を着て顔を洗い、

ついでに鏡の中の自分を一瞥した。

唇は赤く歯は白く、肌は白くて...

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