第12章 デザイナーコンテスト

食事を終えた葉田知世はうとうとと眠り込んでしまい、再び目を覚ますと、平原遥子がベッドの傍らに座って、ぽろぽろと涙を流していた。

「私は寝ていただけで、死んだわけじゃないよ」葉田知世は内心少し感動しつつも、わざと軽い調子で笑いかけた。「二週間の出張じゃなかったの?どうして早く戻ってきたの?」

「自分のことを考えてただけよ。誰があなたのために泣いてるって?思い上がりね。ふん」

平原遥子は慌てて目尻を拭った。

葉田知世は彼女の赤くなった鼻がなんだか可愛いと思い、また笑った。

「考えたんだけど、あなたがクラブでお酒を売るのは、長い目で見たらどうかと思うわ。あなたはデザインを学んだでしょう?...

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