第13章 勢均力敵の愛

またしばらく時間が経ち、葉田知世のメールボックスにコンテスト主催者から予選通過の通知が届いた。

「葉田知世様、『七夕の約束』デザイナーコンテスト準決勝進出おめでとうございます。世界一流の宝石原石をご用意いたしました。ご自身のデザイン画を持って盛世同輝スタジオへお越しいただき、作品を制作していただけます。7月1日午前9時に国際展示場D05にて準決勝にご参加ください」

彼女の心臓は、予兆もなく激しく鼓動し始めた。

休学した瞬間から、自分の愛するジュエリーデザインとは一生縁がないと思っていたのに、まさか神様がこんなチャンスをくれるとは。

「ありがとう、平原遥子」彼女は準決勝通知を平原遥子に...

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