第18章 俺はお前の父親

葉田家。

葉田雲子は泣きながら葉田淮に葉田知世の「罪行」を訴え、鈴木燕はその傍らで憤慨しながら助け舟を出していた。

「これが高橋枝子の育てた下品な娘よ!妹の婚約者まで奪うなんて!葉田さん、あなたも何とか言ったらどう!これで本当に藤原家が婚約を破棄したら、雲子も葉田家の将来もおしまいよ!」

当時、高橋枝子はお腹が大きくなり、葉田知世を育てる余裕がなかった。鈴木燕は自分の娘を代わりに藤原家に嫁がせるため、手段を選ばず彼女に5歳の葉田知世を連れ去らせたのだ。

ただ彼女が予想していなかったのは、婚約破棄の書類の他に、藤原お爺様が自分の身につけていた玉の護符を証としてくれたこと...

ログインして続きを読む