第22章 葉田淮が訪ねてくる

「入れないと言われても、もう二回も入っているじゃない」

葉田知世は殴られても、顔色一つ変えず、淡々と言った。

藤原の母は年上だし、藤原羽里は確かに無実だ。彼女は反抗したくなかった。

「二日以内にT市から出て行きなさい。さもないと、ただではすまないわよ。容赦しないから!」

藤原の母は葉田知世の平然とした態度を見て、さらに頭に血が上り、また手を上げようとした。

「わたしは行きません。藤原夫人がわたしに出て行けと言うなら、殺してください」葉田知世は藤原の母の手首をつかみ、恐れる様子もなかった。

痛みは顔だけのこと。母が亡くなった後、もう彼女の心を痛めるものなど何もない。

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