第31章 私のように恥知らず

「もし田村さんが私のように恥知らずになれたら、藤原羽里もあなたと寝るでしょうね」

葉田知世は自嘲気味に笑った。彼女の言葉は心からのものであり、何度も藤原羽里を騙してベッドに連れ込む自分が恥知らずだと感じていた。彼女には特別な魅力などなく、ただ無鉄砲な勇気だけがあった。

田村健はこの答えに拍手喝采した。

短い会話の中で、彼は葉田知世の魅力の所在を理解した。

美しい女性は多いが、藤原羽里のような高位にいる人間には特に不足していない。

彼女が他の美しい女性と違うのは、藤原羽里が自分を愛することを夢見ていないことだ。

彼女は酒を売り、自分を卑下することなく、藤原羽里に頼ることも誇りに思わ...

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