第17章 彼は私を好きになるかな?

「私は……彼は……きっと好きだと思うよ」

「あなたが不確かな言い方をしているということは、彼は絶対に私のような女を好きじゃないってことね」林田浅子は挫折したように口を尖らせた。「彼が好きだろうが嫌いだろうが、最悪離婚すればいいだけよ」

ふん!

平井琴美に会うなり、林田浅子は不満をぶちまけ始めた。まるで嫉妬する若妻のように。

平井琴美は飲み物を飲みながら、くすくすと笑っていた。

「何笑ってるのよ?」

「浅子、もしかしてあの植物人を好きになっちゃったの?」

林田浅子は顔を赤らめた。まだ一言も話したことのない男を好きになるなんて、ありえない。

「好きじゃないわよ。ただあれだけ世...

ログインして続きを読む