第18章 薬を盛られた

鶴田健、佐藤清子、そして藤原おばあさんまでもが、藤原裕也のベッドの前に集まっていた。

「裕也、お母さんの声が聞こえる?聞こえたら指を動かして」

藤原裕也は、反応を示さなかった。

佐藤清子は林田浅子を一瞥し、それから皆を見回した。やはり意識はないようだ。

林田浅子は皆に嘘つき呼ばわりされることを恐れ、説明した。「嘘じゃないわ、お母さん。彼、本当に動いたの。さっきは声も出したわ」

声?

鶴田健は額の汗を拭いた……

「何て言ったの?」藤原おばあさんは思わず尋ねた。

林田浅子は藤原裕也が先ほど出した音を真似て、「うーん」と声を出した。

佐藤清子は鶴田健に向かって尋ねた。「彼は本当に...

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