第36章 それは未遂のキスと呼ばれる

林田浅子は訳が分からず、藤原裕也の方へ歩み寄った。彼は彼女の手首を掴み、引き寄せて軽く唇にキスをした。

「これで満足か?」

林田浅子の顔は真っ赤になり、視線を逸らした。彼を押しのけようとしたが、逆に彼に押し倒された。

「藤原裕也、何をするつもり?」彼女は顔を赤らめ、彼を見つめることができなかった。

「夫婦として当然のことをするんだ。俺がまだ目覚めていなかった時、お前は俺にキスをしようとしただろう。今になって怖がるのか?」

林田浅子は顔を赤らめながら言った。「私はキスをしようとしたわけじゃない、未遂だったのよ」

「どうせ企んでいたんだろう」

まあ、彼女は認めた。

その夜、彼は極...

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