第22章

翌日、夜。

紫苑レストランで、坂井晴美は約束通り見合いの場所に到着した。

坂井晴美は腕を組んで窓際に立ち、景色を眺めていた。今日は白いワンショルダーのミニドレスを着ていて、とても魅力的だった。

「坂井さん?」背後から男性の声が聞こえた。

その声は、どこか聞き覚えがあった。

坂井晴美が振り向くと、その人物を見て目に驚きを浮かべた。

「土田さん?」坂井晴美は大きく驚いた。

彼女の見合い相手が、土田正志だったなんて。

だから先日の夜、彼女が土田社長を助けたと聞いて父親があんなに興奮していたのか。

男性は彼女に向かって優しく微笑み、眉目秀麗で上品な風格を漂わせて...

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