第47章

坂井晴美が立ち去った後、水原美佳はすぐに携帯電話を取り出した。

彼女は男の番号に電話をかけ、詰問するように言った。

「杜仲は見つかったの?一体誰の手に渡ったの?」

電話の向こうの人は諦めたように答えた。

「水原さん、本当に精一杯やりました。杜仲の行方は全く追跡できないんです!」

彼も不思議に思っていた。この杜仲というものは一度も姿を現していないのに、どうして誰かに持ち去られたというのか?!

誰が持ち去ったのか?

その人物はあまりにも神出鬼没すぎるのではないか!

「役立たず!」水原美佳は怒りで足を踏み鳴らした。眉をひそめながら問いかけた。

「早く何か方法を...

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