第59章

「藤原おばあさま、宝石がお好きだとお聞きしました!佐藤家からパールのイヤリングを一対ご用意いたしました!どうぞお納めください!」

「おばあさま、小野家も負けてはおれません。上質の緑瑪瑙をご用意させていただきました!」

藤原おばあさまは目の前に並ぶ中年の男性たちを見つめ、目元に笑みを浮かべながら、場の和やかな雰囲気を楽しんでいた。

執事は次々と贈り物を受け取り、それぞれの名前を丁寧に記録していった。

参列者たちは贈り物だけでなく、おばあさまへの祝福の言葉も惜しまず、こぞっておばあさまの前で顔を売ろうとしていた。

彼らの多くは、藤原おばあさまの誕生日パーティーに参加するため...

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