第60章

水原美佳は唇を噛み、これを見ると藤原おばあさまも杜仲に興味を持っていることが明らかだった。

今日、彼女が杜仲を贈れば、おばあさんはきっと彼女に対する見方を変えてくれるはず!

でも、もしおばあさんが、彼女が贈ったこの杜仲が偽物だと知ったら……いや、おばあさんにこれが偽物の杜仲だと知られるわけにはいかない!

そう考えると、水原美佳は顔を上げ、目には自信が満ち溢れていた。

「藤原おばあさん!」水原美佳は笑みを浮かべ、藤原おばあさまに向かって熱心に歩み寄った。

藤原おばあさまは水原美佳を見つめたが、返事はしなかった。

水原美佳は気にする様子もなく、藤原おばあさまの前に進み出...

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