第55章 あなたがおじいさんの薬を取ったのですか

「それはおかしい……」

私はどこか違和感を覚えていた。

藤原和也が尋ねてきた。「何がおかしいの?」

私は神経を集中させて考えた。「おじいさまは普段、発作が起きたらすぐに薬を飲むはずで、たいていはそれで落ち着くのに。今回はなぜいきなり倒れてしまったのかしら?」

「そうだね、以前おじいさまが検診に来られた時、いつもポケットに薬を用意していたのを確認していたよ。今日のような状況なら、薬を飲めばここまで深刻にはならなかったはずだ」と院長が言った。

私は冷ややかな目で藤原和也を見た。「藤原朋美は?」

「病室で休んでいる」

藤原和也は答えた後、表情を曇らせ、断言した。「彼女を疑っているのか...

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