第37章 比較がなければ傷害はない

翌日。

佐藤夏子はお粥を炊き、卵焼きを作った。

一方、佐藤悠子はうっかり寝坊してしまい、朝食を作れなかった。

彼らは手伝いに行く村民の家で食べるつもりだった。

佐藤葉月は昨夜点滴を打ち、今日はもう嘔吐や下痢はなくなっていた。

しかし全身に力が入らず、足はふらつき、顔色も優れない。

そのため木村凌は彼に庭で休むよう提案した。

佐藤葉月は無理して起き上がり、三人を見送った。

そこで佐藤夏子のグループが、お粥と卵焼きを美味しそうに食べているのが目に入った。

時田陽介たち三人は満足げな表情で食事をしていた。

彼は本来食欲がなかったのに、お粥と卵焼きの香りを嗅ぐと、たちまち空腹を感...

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