第47章 顔を打つのはこんなに早く来る

佐藤夏子は暴れる子供を抱いていた。

子供は息が詰まりそうなほど泣いていて、彼女はバッグから五帝銭を三枚取り出した。

子供の額にちょっと当ててみてから、一枚を子供の手に握らせた。

目を疑うような光景が広がった。

子供はその五帝銭を握るやいなや、手足をバタつかせるのをやめたのだ。

さらには徐々に泣き止んでいった。

泣いていた小さな顔には涙が残り、大きな瞳は潤んで佐藤夏子を見つめていた。

それどころか、口を開いて「お姉さん、可愛い!」と言ったのだ。

この光景に子供の両親も呆気にとられていた。

美作四郎の妻が言った。「この子、きれいなお姉さんが好きなんです」

「可愛いお姉さんを見...

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