第15章

視線が集まっていることに気づいて、篠崎アエミは眉をひそめた。

「誰が無憂のデザインじゃないって言ったの?」

林田涼子がヒールの音を響かせながらゆっくりと歩いてきた。スカートのフリンジが揺れている。

彼女は篠崎アエミの前まで来ると、彼女を自分の後ろへ引き寄せた。

さっきからこちらの騒ぎに気づいていたが、いじめられていたのが篠崎アエミだとは思わなかった。

「このドレスは無憂先生がアエミの体型に合わせて特別にデザインしたもので、世界に一着しかありません。さっき誰かが賠償すると言ってたと聞きましたけど?」

「ちょうどいいから、ちゃんと計算しましょうか。鈴木さんが着ているこのドレス、どう思...

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