第17章

二人がソファに座っていると、篠崎アエミの携帯電話が突然鳴り出した。

画面に表示された名前を見て、篠崎アエミは素早く電話に出た。

「アエミ、おばあちゃんもうすぐそちらに着くわ。今家にいる?」

おばあちゃんの声を聞いて、篠崎アエミは思わず身を起こした。

「おばあちゃん、どうして何も言ってくれなかったの?私が迎えに行ったのに」篠崎アエミはコートを手に取り、外に出ようとした。

「おばあちゃんはただアエミに会いたくなって、様子を見に来たのよ」

篠崎アエミは鼻の奥がツンとして、おばあちゃんに車から降りたら動かずに待っているよう言い聞かせた。

電話を切ると、林田涼子が尋ねた。「おばあちゃんが...

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