第49章

「ただの握手なのに、大げさよね」

「そうそう、鈴木芽衣のファンは脳みそ腐ってるのよ。握手くらい、基本的な礼儀でしょ!」

鈴木芽衣のファンたちは必死に自分たちのアイドルを守り、極めて攻撃的な態度で発言していた。

無憂のファンは数こそ多くないものの、戦闘力は高い。

無脳な発言を見れば、容赦なく反撃する。

両陣営の罵り合いが始まった。

仕事もまだ始まっていないのに、コメント欄の内容を見て、篠崎アエミは本当に泣きたい気分だった。

彼女が参加しているのはファッションコンテストであって、言い争いの大会ではないのだから。

篠崎アエミは軽く咳払いをし、カメラに向かって手を振った。

「みなさ...

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