第57章

鋭い声が突然響き渡った。

篠崎アエミはびくりと飛び上がり、反射的に左右を見回して、東屋の中に身を隠した。

「あなたたち、私を騙してるんじゃないの?」

「芽衣ちゃん、どうして私たちがあなたを騙すことができるの?本当よ、庭の掃除をしていたおばさんが見たんだから。信じないなら、今すぐ確かめに行きましょう!」

「そうそう、そのおばさんが言うには、二人はすごく親密な様子で引っ張ったり押したりしてたんだって!絶対に無憂が榎田社長を誘惑したんだわ」

「でも、ずっと探してるのに、見つからないのよね!」

鈴木芽衣は言いながら悔しそうな顔をした。

「どうしたらいいのかしら。こんなことになるなら、こ...

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