第59章

「これは……」

すべてのルールが既に決められていた。

急に課題が変更され、ディレクターはその場に呆然と立ち尽くした。

榎田神也は冷たい目で見つめ、「何か問題でも?」

「もちろん、問題ありません!」

スポンサーは常に正しい。

ディレクターは笑顔を作り、「では仰る通りに。今日は紳士用スーツをデザインして、モデルは……」

榎田神也が再び割り込んだ。

「私は以前無憂と仕事をしたことがある。無憂のモデルは私がやろう!」

「わわわ、なんてこと?金主様だからって、ルール変更し放題?」

「どうして無憂と組むの?彼は私たちの芽衣ちゃんのはずなのに、どうして芽衣ちゃんを捨てるの?」

「私た...

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