第19章

娘の澄んだ瞳に触れ、大澤玲子は少し当惑した。

「亜美ちゃん、私がいつ四郎の上に乗ったの?」

「えっとね、えっとね……」

大澤亜美は小さな頭を傾げて、時間を思い出そうとしていた。

平野純平は黒い瞳を深く沈ませ、冗談めかして言った。

「なかったか?お前は乗っただけじゃなく、まだ……」

言い終わらなかった言葉に、大澤玲子は一瞬で先ほどの恥ずかしい場面を思い出した。

あれは彼女が不意に触れてしまっただけなのに、まるで彼に何か思いがあるかのように言われて!

「四郎、もう立ち上がりたくないってことかしら?」

大澤玲子は歯を食いしばり、その声には危険な調子が混じっていた。

平野純平は軽...

ログインして続きを読む