第25章

「だから、やっぱり僕に心を開いてくれないんだね?」

藤原純の目に痛みの色が浮かんだ。

私は目を伏せた。「ごめんなさい、もう少し時間をもらえないかな。きっと良くなるから、いい?」

私は柔らかな声でお願いした。

「わかった。時間をあげるよ、小林夕子。僕は君を無理に迫ったりしないから」藤原純は私を見つめ、全てを許すような表情を浮かべた。

その後、彼は部屋を出て行き、私はドアに鍵をかけた。

この行動は、カメラに映っても構わなかった。彼が見ても怖くない。むしろ堂々としている方が、疑われにくいだろう。

彼は浮気が低コストの過ちだとは本気で思っていないはずだ。

でも考え直してみると、少し不...

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