第26章

病院へ向かう車の中で、天川彩香に紹介された佐藤弁護士をVXに追加した。さすがに忙しい人物らしく、病院の入り口に着いてようやく承認してくれた。

本当に多忙な一日のようで、追加するとすぐにメッセージが届いた。【時間ある?安全のため、人がいなくて監視カメラもない場所で、音声通話で詳しく話そう!】

この病院は、実は前に来たことがある。

両親が交通事故に遭った時、この公立病院に運ばれたのだ。

両親の交通事故で、この病院で救命処置が行われた。

医者が両親の死を告げた時、悲しくて人目につかず監視カメラのない隅っこで泣いたことがある。

【五分後、こちらから電話します】

すぐにその人目につかない...

ログインして続きを読む