第16章 元彼が組織した生徒会

「割り勘って何よ。社団の会長の高橋長明が同窓会を企画したのよ。彼が言ってたわ、彼がご馳走するって」佐藤幸子は口を滑らせたことに気づき、慌てて水原寧々の表情を伺った。

水原寧々は眉間にしわを寄せた。

佐藤幸子は仕方なく本当のことを話した。「実は、みんな知ってるのよ。高橋長明がこの同窓会を企画したのは、あなたを招くためだって。鈴木先生まで動かしたわ。あなたが結婚したって知ってるから、本当は仲介役なんてやりたくなかったんだけど、鈴木先生から電話があって、断れなかったの。行きたくないなら、今からでも気が変わっても大丈夫よ」

恩師の言葉は重い。

水原寧々は唇を噛み、十数秒黙った後、言った。「入...

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