第19章 旦那が嫉妬した

開発部は会社の中核部門で、通常は外出しないものだ。

藤原修一は高橋長明の嘘を暴くことはしなかった。なぜなら、高橋長明が面子のために嘘をついている時点で、彼は藤原修一の対戦相手になる資格すらなかったからだ。

高橋長明は綿に拳を打ち込んだような感覚を覚えた。二人が並んで立つ姿があまりにも似合っているのを見て、胸の奥がさらに鬱結した。

「開発部はあまり詳しくないんだよね」高橋長明は目に笑みが届かないまま言い、さらに質問を続けた。「開発部の主任?」

「違います」藤原修一は堂々と答え、逆に高橋長明が小物に見えてしまった。

主任ではない、となると普通の社員だろう。皆は顔を見合わせた。彼らの予想...

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