第22章 自分の過去を発見した

貴婦人は藤原修一の母親、田中美智子だった。

藤原修一の結婚のことで、田中美智子は心配で心配で仕方がなく、男性を紹介してあげるところまでいくところだった。

藤原修一は結婚届を出したことも家に知らせず、藤原博之が口を滑らせなければ、田中美智子は今でも何も知らないままだっただろう。

田中美智子は中を覗き込んで、急いで息子の嫁がどんな姿をしているのか見たいようだった。

藤原修一は慌てて田中美智子の腕を掴み、彼女が入るのを阻止して、声を低めて言った。「どうして事前に連絡してくれなかったの?」

今になって藤原博之に部屋を探してもらったことを後悔していた。藤原博之の口は、溶接機で溶接しても漏れて...

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