第32章 別々に寝る?

水原寧々は箱を開けると、中には指輪のペアがあった。

彼女は藤原修一を見つめ、すぐに意味を理解した。

「結婚指輪だよ。当時は入籍を急いでいて買えなかったから、今になって用意した」

「いつ買ったの?」水原寧々の心は動いた。

彼女は結婚指輪の有無にこだわってはいなかったが、彼のこういった細やかな心遣いに、感動しないはずがなかった。

「昨日買ってきたんだ」藤原修一は彼女の手を取り、箱から女性用の指輪を取り出して、自ら彼女の指にはめた。

一本のろうそく、一つの贈り物、一杯の卵麺。それらが織りなす、ロマンチックな雰囲気。

「寧々、この結婚で、ずっと一緒に歩んでいけたらと思う」

深い愛の告...

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