第13章

二人が頭を寄せ合って内緒話をしている姿は、まるで仲睦まじい若夫婦のようだった。

安田豊史の目には、どこか違和感があるように映っていた。

「棠花、光弘の言うとおりだよ。結婚して三年も経つんだから、そろそろ自分たちの子供を持ってもいいんじゃないかな。もしかして、あと数年遊びたくて、わざと作らないようにしているのかい?」

秋山棠花は唇を噛んだ。つらくて仕方なかったが、祖父の前では言えなかった。

もし藤原光弘が子供を望んでいないと言えば、祖父の洞察力なら二人の間に何かあると気づくだろう。

かといって、自分が望んでいないなんて言えば...

祖父はきっと信じないだろう。

結局、最初から藤原...

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