第19章

警察署に着くと、秋山棠花は留置室に入れられた。

田中美咲は傷の手当てをしたばかりの顔で、扉の外に高圧的に立ち、鼻を高くしていた。

「怖くなったでしょう?さっきまで強がって私を捕まえたらどうなるとか言ってたけど、今はどう?あなたの実力はどこ?見せてみなさいよ」

彼女を殴ったのは佐藤玲だった。

しかし佐藤玲の立場には逆らえない。だが目の前のこの藤原家から追い出された田舎者の女なら。

自分の思うままにできる。

秋山棠花は背筋をまっすぐにして、目を細めて休んでいた。

朝からずっと休む暇もなく、今は心身ともに疲れ果てていた。

秋山棠花が全く相手にしないのを見て、田中美咲は顔に嘲笑を浮か...

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