第23章

翌日。

秋山棠花は化粧をして一人で病院へ向かった。

祖父は若い頃に無理をし過ぎたせいで、体には多くの古傷が残っていた。今は年齢のせいで心臓の問題が深刻になっていた。

あまり刺激を受けてはいけないし、急に感情が高ぶることも避けなければならない。

これが彼女が離婚のことを祖父に知らせられない理由でもあった。

しかし秋山棠花が予想もしなかったのは、藤原光弘がすでに来ていたことだった。

彼女よりも早く到着していたほどだ。

病室では、安田豊文がベッドに横たわっていた。おそらく検査を終えたばかりのせいか、昨晩のビデオ通話で見た時よりも顔色が悪くなっていた。

しかし若い頃に一方を震撼させた...

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