第33章

高田裕也はそばで補佐をしながら、書類に目を通して言った。「お嬢様、先ほどの会議で提案された教育と医療のプロジェクトですが、企画部の方では効果を最大化するために芸能人を起用したほうがいいと提案しています」

秋山棠花は頷いた。「それはいいわね。代表者は知名度があって人格も問題ない人がいいわ。そうすれば後々複数のプラットフォームで展開できるから」

「企画部に適任者はいるの?」

高田裕也は手元の書類から先方が提出した企画書を取り出した。

秋山棠花は最初のページをめくると、真っ先に秋山柔子の名前が目に入った。

その下には美名と賞の数々が列挙されていた。

「海外帰りのピアノの女王……」

秋...

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