第41章

藤原光弘がいて、秋山宏章がいる。

死にかけて死に損なった秋山柔子は、世界中を騒がせずにはいられないようだ。

彼女が見に行かなければ。

秋山柔子の「好意」を無駄にすることになるではないか?

それに、前のことも、このままにしておくわけにはいかない。

秋山棠花は電話を切り、佐藤玲に説明した。「車を借りるね。まず君を送ってから、病院に行く」

佐藤玲は全部聞いていて、怒りの表情で言った。「秋山家の連中って頭のネジが外れてるんじゃない?真夜中になっても、まだ問題を起こし続けるなんて」

「安心して、私が行けば彼らを困らせることになるから」

佐藤玲はため息をつき、無意識にバックミラーを見た。...

ログインして続きを読む