第53章

「藤原社長もお忘れになりやすい方ですね。ビジネス界では誰もが知っているでしょう?あなたの藤原グループが常に私たち安田グループを押さえつけていることを!」相手の女性の冷笑が返ってきた。

「安市のトップという立場を利用して各大手グループに圧力をかけ、私の手からプロジェクトを奪うなんて。藤原社長の手腕には感心せざるを得ませんね」

海上の小島のプロジェクト以来、藤原光弘はこの安田グループの跡取りに好奇心を抱いていた。

今こうして会ってみると、やはり彼の想像通りの人物だった。

この女性の全身から溢れる気迫と覇気は、ビジネス界で長年揉まれてきた証だった。

しかし、彼女の一つ一つの詰問に、彼は微...

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