第9章

「おじいさま、今から祖父に会いに行って、戻ってきてからでもいいですか?」

秋山棠花は年寄りの心を痛めたくなかったので、藤原光弘がいない日に訪ねようと考えていた。

「祖父?」

おじいさまはとんでもないことを聞いたような顔をして、「棠花、まさか淮との離婚のことを安田に話したわけじゃないよね?」

「いいえ、話していません。おじいさまも祖父には内緒にしていただけませんか?心配させたくないんです」

秋山棠花は藤原おじいさんと自分の祖父の間柄をよく知っていた。

若い頃から二人は知り合いで親交があった。

婚約もその当時に決まったものだった。

「ちょうどその話をしようと思っていたんだ。お前の...

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