第106章

「父さん、これらの物を私に託したということは、私の判断に任せてくれるということでいいんですか？」水原優子は真剣な表情で尋ねた。

佐藤宗樹は慎重に頷いた。「ああ、君の判断に任せる」

その言葉を聞いて、水原優子はずいぶん安心したようだった。

「父さん、これらの写真は久志に見せましたか？」

「まだだ」

「彼が見ていないなら、永遠に見ることがないようにしたいです」

水原優子はそう言うと、片手で写真の一角を持ち、もう片方の手でもう一方の角をつまんだ。すぐに、手の中の写真は真っ二つに裂かれた。

「優子ちゃん、よく考えてごらん。これはもしかしたら私たちが君に渡せる唯一の切り札かもしれないんだ...