第21章

「それだけのことなら、もう行ってください。あなたの謝罪も感謝も受け取りました」

「ちょっと待って、水原優子さん」太田沙耶香は水原優子がまた自分を追い出そうとするのを見て、急いで口を開いた。

「佐藤家のご実家に急いで戻るんでしょう？」

水原優子は眉をひそめて太田沙耶香を見た。「あなた、結局何がしたいの？」

「久志さんから聞いたんだけど、あなたたちの婚姻届と戸籍謄本はおじいさんが持っているんでしょう？もしよければ、おじいさんにそれらを返してもらえるようお願いしてもらえませんか？」

「久志さんは私と結婚すると約束してくれたんです。でも、それらの書類がないとあなたたちは離婚できないし、私た...