第23章

「お母さん、今日はおじいさんが主役の日だから、私はまだ身分を公表しないでおくわ。それに大学院もまだ卒業していないし、もし公表したら学校側でいろいろ問題が起きるかもしれないから」

「それにお母さん、今日公表しようとしまいと、私はお母さんの息子の嫁なんだから」水原優子は小笠原陽子の腕に親しげに手を回し、甘く微笑みかけた。

「ハハハ、優子ちゃんの言うとおりだよ。どんなことがあっても、お前は私が唯一認めた孫の嫁だからな」佐藤おじいさんは嬉しそうに笑った。

「もう、あなたったら」小笠原陽子は笑いながら水原優子の額を軽く小突いた。「お父さんが何も言わないなら、私も異議はないわ」

そして彼女は振り...

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