第25章

「お母さん、もういいよ。おじいさんの誕生日パーティーを私のせいで台無しにしないで。それに、彼女たちだって故意じゃなかったし、私も大したことないから」

水原優子は無理して元気な声を出した。

もし本当に追及すれば、この件は大ごとになる。そうなればおじいさんが心配して、せっかくの八十歳の誕生日も台無しになってしまう。

「優子ちゃん……」小笠原陽子は心配そうに娘を見つめ、何か言おうとしたが水原優子に遮られた。

「大丈夫だよ、お母さん。早くお客さんのところに戻ってあげて」水原優子は精一杯の笑顔を作った。

小笠原陽子は仕方なく部屋を出ていったが、しっかり休むようにと何度も言い聞かせた。

小笠...

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