第37章

「私が夫のお金を使うのに、夫は何も言わないのに、太田さんは口出しし過ぎじゃないですか?」

水原優子は太田沙耶香の言葉を遮った。

「それとも、私が買い物しすぎだと思ってるの?」水原優子は佐藤久志の方を見た。

「いや、好きなものを買えばいい。君の決断は尊重するよ。あのカードを渡した時も言ったはずだ、好きに使っていいって」

佐藤久志は首を振った。買い物で彼女が喜ぶなら、何も言うつもりはなかった。

水原優子は太田沙耶香に微笑みを向け、そのまま立ち去った。

太田沙耶香は腹立たしさに拳を強く握りしめた。

彼女は心の中で自分を慰め続けた。もうすぐ離婚するから、そうすれば水原優子は彼らの生活か...

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