第60章

その冗談のような言葉も、中村良太の耳には別の意味に聞こえた。彼は少し間を置いて、説明することに決めた。

「奥様、堀川社長からの指示で、今後はカードなしでいつでも堀川社長専用の個室をご利用いただけます。お食事後のお会計も不要で、そのままお帰りいただけます。VIPカードについても、ご自由にお渡しいただいて構いません」

周りの人たちはその話を聞いて、羨ましさでいっぱいだった。

中村明美はゴクリと唾を飲み込んだ。

「雅子ちゃん、前世で銀河系でも救ったの?堀川様と結婚できるなんて!しかも、こんなに愛されて、うぅ、雅子ちゃん、今夜あなたの家に泊めてよ。ベッドを温めてあげるから」

中...

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