第14章

江崎玲子は胸がぎゅっと締め付けられるような思いで、おそるおそる尋ねた。「わ、わたし…何か言ったんですか?」

眼鏡をかけていない目覚めたばかりの江崎玲子は、ふんわりと乱れた髪が却って一種の凌乱の美しさを添えていた。整った五官に、触れればはじけそうな肌、一対の杏のような瞳は非常に生き生きとしていた。朝日が窓から差し込み、彼女の周りに淡い光の輪を作り、まるで幻のように美しかった。

古江直樹はそこで気づいた。目の前の江崎玲子は、以前の地味な姿とはまるで別人のようだった。

彼女の肌は本当に白く、白さの中に桃色が透けるような色合いで、ゆったりとしたピンクのパジャマが、彼女の顔を一層桃の花のように引...

ログインして続きを読む